まわりがミケランジェロに浮かれる中、私は時代を超えて『知られざるミュシャ展―故国モラヴィアと栄光のパリ― 』@福井市美術館へ。
私は、10代の時にミュシャのポスターを一度目にしていて、彼が描く人体や曲線美や洋服のしわの表現に惚れました。もっちり、むっちり、した腕の表現がすごく好きで。色っぽさも感じていました。文字のレタリングも、手描きのセンス感があふれていて、真似なぞしてみたり。
20年近く時を越えて見た彼の絵は、画家と言うより今のイラストレーションに近い感じです。原型ともいえそう。背景にドラゴンがいたり、草花が描かれていたり、どの場所を切り取っても、絵(イラスト) になる。女性モデルにポーズをとらせて、写真に撮り、それをもとに描いていたんですね。女性の等身大ぐらいの、縦に長い版画は、数枚並ぶと圧巻です。
ふくよかな身体、装飾的な衣装、植物的な背景デザイン、欧州の香り漂う魅力的な図版やポスター…、足を踏み入れると、そんな世界が空間いっぱいに広がっています。
ミュシャはチェコ(旧チェコスロバキア)出身。出身にちなんで、館内のカフェでは、チェコの伝統的なおやつ「パラチンキ」も期間限定で提供されていましたよ。
●『知られざるミュシャ展―故国モラヴィアと栄光のパリ― 』
福井市美術館アートラボふくい
開催中~9月1日(日) 休館日8月19日(日)、8月26日(月)