角さんと岩本さんと岩佐さんと@福井県立美術館

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私の目的は 角さんと岩本さんの展覧会でしたが。

角さんの展示は、回顧展にちかいかんじで、ざざっと昔の作品から亡くなる直前の作品までありました。

ああ、まだまだ生きているなあとしみじみします。笑い声も聞こえてきました。自宅の車庫で、ガンガン新聞紙削っていた姿を思い出します。作家さんと間近に付き合えたことに、感謝しました。

岩本先生、彫刻もドローイングも写真も、決してぶれない作品です。一貫した視線をもって表現ができる作家さんです。そのぶれない視線の波長が私にとても合う。ここ!というところを突いてきます。だけど私も及ばないところの繊細なところ、ご本人の佇まいにも表れていて、一見静かさを持ちつつ、内面の熱い情熱は作品から感じます。
娘さんがコンテンポラリーのダンサーを目指されていて、ベルギーへ留学中。ダンスとドローイングのパフォーマンスを見られずにいて、残念無念な夏です。

そして岩佐又兵衛さん。

面白かった、岩佐さんが書いた絵巻物が…、女性週刊誌ゴシップと壮大な純愛物語でもあって。時代を経ても人々の関心は人々の話なんですね。「え、ここから、ここからどうなるの!??」という終わり方されていて気になったのでございます。たぶん、来ていた人みんなそう。

正直、絵は下手だと思います…。屏風とか掛け軸とかちょっとひどいかんあり。これも好みでしょうね。

美女絵の間に 耳かき小僧 の絵もあって「なんだ…?」感もあり、それが又兵衛の魅力でしょうか。w

この日2日間しか出ない国宝の屏風絵があり、そこに「タケノココスプレ」をした男性がいるというので探しに行きました。情報くれたH女史ありがとう。こういう面白さを伝えてくれる方は鑑賞に大事。見どころが深まりました。

へうげもの の原画展示をもっと推してもよかったとおもう。又兵衛のこと、漫画で分かりやすく知られるのもいい。

タイトル「岩佐又兵衛」って誰感満載なので、こちらも展覧会タイトルやビジュアルに気を配れば、もっと県民の興味をそそって来場者があったとおもいます。又兵衛そのものよりも又兵衛が書いた絵巻物がマジ面白かったし。

目的が岩佐又兵衛をしっかり振り返り伝えることであれば(これまで焦点をあてた展覧会はないから)それはそれでいいんだけど、研究者や一部日本画ファン向けに限りますね。ただそこから火がついて、インフルエンサーになって、又兵衛といえば、となればいい。又兵衛だけで巡回展できるともっといいのに。

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