海外美術展2017 ドクメンタ14とミュンスター報告会@ニホ

石川達紘さん(金津創作の森学芸員)にお話いただきました。5-6日間という強行スケジュールで回ったのは

ケルン・デュッセルドルフ(ケルン大聖堂・ルートヴィヒ美術館、K20・K21美術館)
ドクメンタ14
ミュンスター彫刻プロジェクト2017

ケルン大聖堂には、ゲルハルト・リヒターがステンドグラスを入れていました。大聖堂はケルン駅から出てすぐ。電車からも見える(見切れない)大きな聖堂で、2002年の旅行で見た感動と圧倒を覚えています。疲れて大聖堂の前のぱさぱさサンドイッチ食べながら聖堂見上げた思い出あり。

K20、K21のことは知りませんでした。ってか行ってみたい。個々の部屋がギャラリーっぽい個室になっているのも面白い空間でした。どうやって空間を操っているんだろうと。しかしどの会場も欧州の美術館は空間も作品も見栄えがします。

ドクメンタ14、私が行ったのが10と11だから、間が空いてしまった…。いけないこともなかったのだけど、テツ氏が「映像ばっかり見せられた展覧会」と評して、まさしくそのとおりだったのでちょっと私も足が遠のきました。
今回は
・ギリシャ アテネで先行して開催
・ドイツ メイン会場の前に 禁書でつくるパルテノン神殿が登場
というニュースが目をひいたので、お話を聞きたくて。

石川さんが話すには
・全体的にメッセージ性が強い(政治、社会、生き方、など)…“移民”はキーワードだったようです。なぜか、という問いには、ここ数年欧州をにぎわせた、ギリシャ崩壊危機、移民の押し寄せ、イギリスのEU離脱、にドイツがすべて関わっていることでしょう。日本で原発のニュースが日常のように、欧州では隣の国の問題には鬼気迫るほど敏感なんだなと、アート作品をみて感じました。
・映像作品は多い…やはりまだそこか!

私が行ったころにはまだ、アンゼルム・キーファーの作品があちこちにあって、第二次世界大戦への怒りや悲しみ、反省のメッセージがまだまだありました。しかし石川さんの報告からは、そこはもう超えていて、違う方向への提言を感じました。目に見える反戦とも違うんですよね。ここ20年で人も変われば作品も変わるということでしょう。もうちょっと探りたい。

しかし今回は、ユーロ圏、イギリスやギリシャのこともあって移民のモチーフを目にしたように思います。
解釈はそれぞれだけど、日本ではそう感じられないものだから肌感覚で知ることが難しい。
もう少し 絵画の復権的な、絵で見せる作品があってもいいのではないかと最近はおもいます。
笑いを誘ったのは「おなかだして歩くルック」でございました

ミュンスターは、これまた私が見た20年前に見た作品がそのまま残っていたり、思いっきり落書きされていたり。そこそこにいい感じでした。日本だと5年離れればもう違う町のようになっているのに、ミュンスターは空気が同じでした。ああ、帰りたい、ここに行きたいって思える街。さらばミュンスター10年後か…。

久々に、海外を見て、世界を見る目を取り戻しました。世界を俯瞰してしまうと、己の小ささに気づいて、無力感にさいなまれるわけですが、一度知ってしまったら、それ以前の眼を取り戻せない。世界の動きの中に、日本はいるのか、福井はあるのか、私はどこで何を見るのかなど考えてしまいます(アートことですけどね)。海外へ出ると経済や政治情勢を密接していて、緊張感が走る。

てなことともんもんと感想持ちながら、また次の報告会を開催したいとおもいます。

大きな石を持ち上げるふりをしているが本当は軽いんだよーんな作品

 

福井経済新聞に掲載
福井で現代美術語る会 アート好き20人参加、ドイツの国際展テーマに

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