【鑑賞録】ターナーからモネへ 

ターナーからモネへ、略してタナモネ展というそうです。タナボタみたいな美味しそうな印象派です。ターナーってイギリスだしモネってフランスだし、ウエールズ国立美術館所蔵だし、と整合性どうなるのよと見に行きました、いじわるな私。

ココだけ見ると海外の美術館みたい。いい感じです。

全体は、印象派以前の絵画から、印象派誕生、そして印象派後100年を一串した構成で、とても分かりやすかったです。分かりやすい展示の説明でした(お天気予報のマークが謎だが嫌いではない)。

印象派以前の風景画がしっかりした「絵」でした。幼い頃住んでいた家の応接間に似合う絵。空、土、木、家、すべてが詳細で写真のような、でも抒情的な。私はどうやら「以前」が好きなようです(ルネサンスもその前が好き)。

思うに、「ザ・印象派」というぼやぼやした絵だけどすごく温かみのある感じ、という絵よりは、その周辺の当時のイギリス美術(ウエールズだからね)が展示されていて、それはそれでよかったです。まさかロセッティやバーン・ジョーンズが見られると思ってなかったし。後半のブラマンクが私は一番ググっときました。観客が立ち止まっていたのは、ルノアール。会話が聞こえてきそうなかわいい絵でしたもの。

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芹川美術専門員が語る「モネ・ターナー・英国美術」 4月29日

◎ターナーについて
ターナーは巨人。イギリス美術を一代で築いた人。
若い頃は画風が安定していなくて、1年ごとに変わっている。
風景画のわりに木が少ない。なぜか、緑が嫌いだから。黄色が好きと言っていた。
キーワードは、▽18世紀の風景画家 ▽17世紀のオランダの写実的風景画 ▽17世紀ニコラ・プッサン、クーロド・ロラン、理想的風景画 ▽崇高、ピクチャレスク、水彩、ベネツィア ▽ティチィアーノ、カナレット

私は晩年のぼやぼやした抽象画的な作品が好きです。緑が嫌いって…面白い。
そして毎年ターナー賞は見逃せません。

◎モネ
キーワードは▽ブータン、バルビゾン派、ヨハン・バルバルト・ヨンキント、マネ、チューブ入り絵具、ホイッスラー、ロンドンの霧、浮世絵

チューブ入り絵画が発明されて初めて戸外で絵を描いた人、ですモネさん。戸外で絵を描くことは画期的で、かつそれが印象派画家の強みでもあったわけですが、モネさんは晩年、自宅で描くようになり、イキイキさやリアル感を失い、かつ観念的になってきたそうです。
それをスライドで追って説明してくれるのでなるほどと分かりやすかったです。

サロンやアカデミーの関係までは深く知っていないので、そのあたりをお聞きしたかったな。

ザ・新緑!ワサワサ感に生命力を感じます。

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