ラウンドトークの感想。
「未来の土着」をテーマに6チームが発表。その後、ゲストやアドバイザーの方のラウンドトークがあった。
XSCHOOL
http://makef.jp/xsxs2019/
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不可能と思われたコミュニケーションをどう実現するか、それがトークアプリ“TalkStay”という提案だった。ゲストやアドバイザーの方は「プログラムやフレームワークが見えると、外れたくなくなる」「テクノロジーを思いつくとそれに向かおうとする」といい、アプリありきではないかと指摘していた。
福井に住む外国人が困っていること、の解決策がアプリによってしまい、アプリを作成することが目的になってしまった感がある。メンターの人たちが言う「既存のアプリで代用できるのでは」というのもごもっとも。
「困っている外国人を助けてあげよう」という目線ではなく「自分が外国人だったら福井の何に困るだろうか」と目線だったらどうだろう。私だったら「母国語が通じる安いスーパーや病院」だ。その情報をアプトプットするときに、ウエブかもしれないし電話帖かもしれないし駆け込み寺かもしれない。
私の場合、ある課題があり解決策を探るとき、解決の手段がウエブなのか、ウエブでならどう解決できるのか、と考える。「ウエブで」を求められた時だ。そして、解決方法がウエブ以外にもあるのではないかとも考える。時に「ウエブでなら(なんでもできる)」幻想を持っている相談者もいて、話し合うことも多い。
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途中、聞きこぼしたが気になった内容が「生態系を3Dプリンターで実現しようとしている人」の話。
田中浩也氏(慶応技術大学)のこと。考え方としようとしていることを知りたくなった。https://fab.sfc.keio.ac.jp/
松島倫明氏(WIRED日本語版編集長 https://wired.jp/)の話がとことん興味深かった。
彼が今考えていることは「2020年代に必要なリテラシーは何か」ということ。
話が断片的なメモになってしまったが
「人工生命と自律性(自立性?)について。恒常性をもった中で自律的に動くこととはどういうことか、それが大事なのではないか。物も人もコミュニティも同じことである」
「多様性原理主義とは。結論がなくオープンに広がっていること、どう広めていくか」
「本は伝えられる人が限定的になる。しかしITの世界(ウエブ上)では、世界に参加を呼びかけられる、開放(解放)できる。例えば、地域の祭りや、お堀の中の県庁に人をウエブ上で呼び込める」
「VRを使えば、お堀の中の県庁(観光地とした場合)にウエブ上では500万人が訪れかもしれない、現実には100人くらいかもしれない」
「ウエブでの開放は、複数性の現実をもたらす」
途中、VRの話になってしまったが、たぶん話はそこ(ツール)じゃないんだけど、まあいいや、と私。
魅力的な場所であれば、VRないしウエブ上(Googleのサービス)で課金をしてでも見に行きたいと思うだろう。私なら、期間限定の展覧会や誰もが入れない美術館に1000円でも課金してウエブ上でも見られれば、支払う。また「いつか現実に行きたい場所」という憧れは持ち続ける。
インスタのライブ配信で、有名ブランドの内覧パーティの配信があった。セレブしか入れないようなパーティで、昔なら雑誌などでスナップを見て、存在を知るくらいのもの。インスタではおそらくスタッフがスマホを持ってただパーティ会場内を歩くだけの配信だったが、その場の雰囲気はじゅうぶんに味わえた。すれ違う人、歓談する人、飾られた服、リアリティがあった。
福井の観光地(でなくてもいいけど)を、とことんセンシング(スキャニング)して、世界中の人が入れる課金制のもうひとつの世界を作る。
東尋坊に飛び込んでみた映像とか、紅葉のきれいな夜叉ケ池のタイムラプスとか。もちろん入場料は支払ってもらう。そんなことができるのではないかと。(手塚治虫の漫画に似たような話があったなあ)。
観光とインバウンドは必ずしも人が押し寄せることではないと思う。成果をお金に求めるならやり方はほかにもある。福井は観光を受け入れる土壌はないし(そもそも観光地がない)、祭や農業の担い手不足は福井に限ったことではない(ので他県のほうがよっぽど魅力的な祭があるし)。なんかこう、ここんとこ、もうちょっと突っ込みたい。
松島氏が語るには、「グローバルとローカル、人間的に体験をどう回収するか」をもっと詰める必要があると。確かに。やってみないと分からないともおもう。誰もこない県だから、交通費もかかる県だから、訪れたら自慢できる県になるのでないかしら。
最後にさらに松島氏は「プロジェクトをパーソナルに落とし込み、それを上にあげて、もう一度問い直す」と話していた。この思考の仕方! そうだ、まさしく、うううん、本当に興味深い。わりと当事者の根幹を揺るがすやり方なんだけど、効果的というのも分かる(そしてツライ)。もうちょっとこの辺りを深く聞きたかった。
マッシブチェンジ という考え方というかフレームワーク?が流行ったなあ、と思い出した。
http://bit.ly/31Hjtet