奥能登芸術祭2020+

昨年はコロナ禍で一年延期に。悪女と一緒にボランティアで参加する計画も流れてしまいました。が、観に行くと言ったら観に行くのだ。そこに観たい作品がある限り~。
といってもコロナ禍ですのでさっと見て帰ろう…のつもりが、欲が出て厳選に厳選して最後に海鮮丼食べて帰ってきました。

道の駅すずなり で最初に検温してリストバンドもらってからスタート。

コロナ禍での開催とあって、ただスタンプカードを持っていればいいというわけにはいかず。事前の情報収集は大事です。主要スポットで検温とそれを証明するリストバンドがないと回れないようになっていました。
山本基さんの情報からゲット、ありがとう~基さん!)


8時に福井を出発、11時すぎに「道の駅すずなり」へ。休憩は2回。「のと里山海道」の途中でガソリンを入れました。
前回4年前は塩田千春からはじまり、能登半島を左回りで回りましたが、今回は「道の駅すずなり」へ直行、検温をしてリストバンドを手に入れてスタート。お昼はコンビニで済ませて優先。森川氏が同行のため当然の雨模様です。

村上慧 『移住生活の交易場』

金沢、名古屋、そして能登。3回くらい目にした家。ここで暮らしていたようです。

さて最初に行くところがこの芸術祭の目的地。

旧小泊保育園にやってきました
山本基 「記憶への回廊」

美しき白と青の世界。一人きりで見たくて、平日に車を飛ばしたかいがありました。

公開制作でお手伝いも募集していた基さん。参加したかった。
白い物体は何だと思いますか?ご存じの方はご存じ、お塩でございます。
海の青と塩、そしてそこに込められる記憶。人が海に抱く記憶はそれぞれです。情景を作品として立体化し、かつ見るものすべてになにかの記憶を思い起こさせる、その力を持っている作品です。

さて、基さんの作品みたら、欲が出まして。基さんの作品受付にいた方に聞き込み。「今回絶対見たほうがいい作品ナンバーはどれですか?」と。限られた時間と距離を考慮して教えてくれました。

カールステン・ニコライ〈ドイツ〉『図書室:カールステン・ニコライが推薦する子供の本』

公式のサイトの写真と実際行ってみたら違うし、全然写真からはわからないんだけど、単純なインスタレーションがとてもよかった。黒いボールが飛び出して丸いステンレスにぼーーーーんってぶつかってあちこち飛び跳ねるやつ。ボールが近くまで届いたらluckyなような。受付の方に「ボールはなくなったらどうするんですか?」と聞いたら「手で集めてセットします」ですって。このアナログな感じもいいな。旧粟津保育所にて。動画保管あり。

フェルナンド・フォグリノ〈ウルグアイ〉『私たちの乗りもの(アース・スタンピング・マシーン)』


雨じゃなくてコロナ禍でもなくて晴天で触って動かすことができれば「面白い!」ってなる作品だったはずのやつ。想像でしかないものだけど、悔しいので写真だけ撮る私たち。公式サイトの写真のカモメはどこにもいない。

リュウ・ジャンファ[刘建华]〈中国〉『漂移する風景』

前回は、見附島に向っておかれていた陶器の作品。妻有でも見ましたね。おおおお!ってなる大群でした。うーんここの場所はちょっと作品にはイマイチ。この日は雨だったので、雨が陶器にあたって音がチンチンと鳴るところが雨ならではの見どころ聴きどころのインスタレーション。珠洲焼資料館にて。動画保管済み。この建物と同じ敷地内にあったホテルが気になりました。観光ガイドで使いそうなのでストックもかねて撮影する仕事マンな私。

作品でも何でもない。鉄道ファンにはおなじみの駅「蛸島駅」。森川氏が駆け出してしまいました。
トビアス・レーベルガー〈ドイツ〉『Something Else is Possible/なにか他にできる』

蛸島駅の線路側に出たら、見えた!奥能登のシンボル的作品が!ここから見るってよいねえ、ふふふ。
右側にはおそらく前回の作品…!? 

右を見たらこれ。前回の作品?

蛸島エリアのここは行っておけ!作家がこちら。私的にいつもの人。青木さんの作品、わりと結構見てますカウベル。当たり作品とそうでない作品の差がはっきりする。今回は当たり作品。ただ場の力も強すぎる。ホワイトキューブの白い空間でみると鉄の作品の力が出てくるのだけど、こうした癖のある場だと拮抗する。自然の中だと負けてしまうイメージ(自然の力が強すぎる)。その点ではほんといろいろ作品と話ができて面白い。

青木野枝〈日本〉『mesocyclone/蛸島 』
いつもの感じ。
外はこんな感じ。使われていない銭湯を十何年ぶりに掃除して作品の場に。

田中信行〈日本〉『連続する生命 』はうまく写真が撮れませんでした…。まっくらと紅い球。

雨がしたたると不穏さが増す何かの倉庫
デイヴィッド・スプリグス〈イギリス/カナダ〉『第一波』

中は大きな紅い波?一枚一枚手描きだそう。層になっております。タイトルが意味深です。

次は、第二の目的地。「Gallery 舟あそび」さんへ。
基さんのホームページを作っているときに何度も見たギャラリー名と作品。いったいどんなところだろうと思っていました。今回、基さんの作品が同時開催されていると知って時期に合わせて珠洲へ挑んだのでした。

隣が保育園。保育園へとつながるドアのイメージ。
塩で作られてます。コンパクトだけど世界観たっぷり。
染み出た錆が萌え要素。

中村信喬さんの作品もあり、器もどれもこれも素敵なものばかり。うっとりの時間、オーナーさんの明るさと解説で楽しい時間を過ごすことができました。置いてある作品、器、どれもこれもレベルが高い!わざわざ買いに来る価値あり。もう一度来ます、と声をかけてあとにしました。おすすめのギャラリーです。

Gallery 舟あそび
〒927-1233 石川県珠洲市若山町出田41−2
0768-82-3960

せっかくだから舟あそびさんの建物の前にある建物へも侵入。

今尾拓真〈日本〉『work with #8 (旧珠洲市立中央図書館空調設備)』

空調設備を利用して、リコーダーが鳴り響く。旧図書館全体の空調が作品。これもこれでほんとよかった。建物が残した痕跡を音で感じさせるなんて。とてもマッチしていたなあ。動画保管あり。

さて帰宅時間が迫ってきました。
舟あそびのオーナーさんから「何をすっとばしてもいいから絶対ここへ!」という場所を目指しました。
芸術祭あるあるの、道なき道だが道はあってほんとにここで合ってるの?狭いよ細いよ~という山道をのぼっていきました。頼れるのは頼りない地図と頼れないナビと長年の勘!

カルロス・アモラレス〈メキシコ〉『黒い雲の家』

作家の祖母が亡くなったとき、黒い蝶が飛んできた、それがこれら蝶作品の発端だそう。メキシコからコロナ禍で現地入りすることはできず、iPadを使ってオンラインで室内とメキシコをつなぎ、作家がオンラインで蝶をくっつける場所を指示しました。3万羽の蝶がメキシコから送られてきて、学生たちが作家の指示ではっつけていきました。

この御膳とシーンは、葬儀後の直会(なおらい)のもので、この地域の伝統のお膳でした。掛け軸は南無阿弥陀仏となっています。

地元のお母さんたちが管理をしていて、いろいろまったりお話を聞くことができました。ここは地元の寄り合いとなるお屋敷で、公民館的な場所でもある様子。会期が終わったら蝶をはがして、メキシコに戻すそうです。元に戻らないと困るようなのですが、あまりにも人が見に来るのでびっくりしてました。

ここから帰路へ、能登半島の左側に出ますよ。その通り沿いの作品は見ていこう。

スズ・シアター・ミュージアム 「光の方舟」

様々なサイトを見ても要領を得なくてあまりよくわからないままに、行ってみました。なるほどこれはなかなか掴めない。複数の作家さんがいて、建物もあって、シアターの上映もあって。その一つ一つを見ていくのがいいわけだ。

橋本雅也〈日本〉『母音/海鳴り』 この作品もよかった。ガイドのおじさんは「くじらの歯だよ」と話していたけどほんとかな。珪藻土…で作った歯だったのかしら。

スズスカシアターのダンサーに悪女を送り込みたかったのだけど、かなわず。躍らせたかったなあ!

山の上からの風景

最後は、塩田千春さんのもとへ。前回のスタート地点で、戦士と悪女にも見せた場所です。

塩田千春〈日本/ドイツ〉『時を運ぶ船』

ここも旧保育所だったんですね。閉館ぎりぎりに飛び込んだら、齢80を超えたおじいちゃんガイドたちに囲まれ、たくさんお話いただきました。糸もそうだけど、この現場まで歩いて通っていたというおじいちゃんたちのお話もすごかった(行った人はわかる急な坂道)。

さあ、ご飯食べて帰ろう!となって、Googleの口コミを頼りに「伸福」へ。
海鮮丼を食べて帰りました。次は一泊して能登牛食べたいです。

伸福
 〒928-0001 石川県輪島市河井町5−41−23
 0768-22-8133

奥能登国際芸術祭2020+

https://oku-noto.jp/ja/index.html

総括はまたゆっくり。左まわりの沿岸沿いもいい作品があった様子。

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