現代音楽と現代ダンス、の組み合わせにひかれて、イクトゥス編へ。
現代美術が好きで、ダンスも好きだけど、音楽まではまだ手に入れてない私。
展覧会へ行くと、ミニマムミュージック的な音楽関連イベントは顔だすものの、クラシックはど素人です。
はじめての愛知県芸術劇場。オペラの劇場ってこういう作りなんですね、と会場の空間に最初驚く。
なんの運が働いたのか、前から4列目のがぶりより席。前すぎず、後ろすぎず、ちょうどよい位置でした。
開始時間となったけど、どうやってはじまるんだろう、とおもったら、演者が椅子をもって中央に置きました。
演者が舞台袖に姿を消すと、スタスタスタと楽器を持ったみなさんが出てきましてですね、さっと座っていきなりの演奏。ええええ、なんか合図とかないんですか。ささっときて、さっと弾き出す、なにこれすごいさりげなさ!かっこよさ!
それでいて、演奏家の皆さん、どちらかというか普段着……?(実はすごく高価な服かもしれない)靴下の色が気になるんですけどな演奏家さんも。
もとい曲です。はじまると、ローザスのメンバーがでてきました。男性メンバーを観るのははじめて。
しなるような動き、メリハリのついた動き、緩さと鋭さが混じって、無限ループのような振付のはじまり。同じ動きのように見えて、メタモルフォーゼのようにだんだんと変わっていくのです。
見ている私はいうと、見るというより、見るという感覚を相手に持っていかれる感じでした。
繰り返し、反復、ループ。音楽もそこにのってきて、不思議な浮遊感。ほんとふわふわ、私はだれを見ているんだろう。
そしてそして、…ゆっくりゆっくり、しばらく寝落ちしました。はっと気づけば周りの人も落ちてました。
目を覚ますと、そこに目の前で男女。会話や合図がないのに、同時にスタートするおそろしきタイミング。
楽器を持っていないおじさんが、なにやらグランドピアノをぐるぐる動かしはじめました。動かしながらピアノを弾く人もついていっています。動かすおじさん、それでも弾く演奏家さん。
今度は演奏者もダンサーも円を描き始めました。ぐるぐるぐる。
そしていつの間にか、演奏者は舞台の奥へ位置し、音楽を奏で始めました。
って、ピアノ動かしていたおじさん、指揮者だったのおおお!?(後で聞いたらめっちゃすごい人らしい)
…見ていた人はみんなそう思っていたと思う。ただものではなかったと。
曲と曲の間や合図がないから、戸惑うよりも観客も緊張。その緊張の空気が空間に流れておりました。日本初演ですしね、タイミングってものが図れずにいたというか。
終わるときもさりげない、ささっときて、並んで、カーテンコールして、はいさようなら。
この「さっとさりげなさ」で見る空気を、観客側も作れたらいいなあと思いました。
感想はまたそのうち追記。